柚月裕子の本

いま上映中の虎狼の血の作者です。図書館にこの方の本が3冊あったので借りてきました。虎狼の血は当然ながら貸出中でした。

ジャンルは社会派ミステリーです。


とりあえず発刊の古い方からと片付けることにしました。


まずは蟻の菜園です。婚活詐欺から児童虐待パチンコ依存症共依存となにかと世間で問題になってることを盛り込んでいますが


いかんせん浅い、枚数に制限があって大幅にカットしたのでしょうか。

動機だとか、姉妹のそれまでの生活とかが、取ってつけたような適当な書き方で、説明がいるだろという部分の説明が無い。

救いのないアンパッピーエンドなのに表現力のなさというか情報不足のおかげで悲壮感も感じなかった。


ロールプレイングゲームのようなんです、他の人の作品でもそう思うこと多いけど


関係者を訪ねて行くたびに次の行動が示唆されるパターンが安直でひねりがないから

まんまドラクエで次の大陸に行くためのエピソードを消化しているぐらいの軽さ


粘着質の宮部みゆきやったら、この材料なら上中下の3巻でしかもそれぞれがくそ分厚い作品に 仕上げるだろうな。と思われる。


もっと濃厚に面白く出来るような素材なのになんか残念な気がする作品でした。